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「違い」を楽しむ心,忌む心

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【考えすぎてみた】「違い」を楽しむ心,忌む心

2021/06/14

”四葉のクローバー”

みなさんはこの言葉を見て何を考えるでしょうか?

「しあわせの象徴」だとか「小さい頃必死に探したな」だとか

どこか温かく,やわらかい印象があると思います。

シロツメクサ,通称:クローバーは基本3小葉からなるものです。四葉のクローバーはこの小葉の形成の段階で葉の先に傷がついたり,あるいは遺伝子の突然変異によって形成されます。いわば「仲間はずれ」ですね。そしてこの四葉のクローバー,自然にできる確率は高くても1万分の1といわれています。「自然」にというのは遺伝子組み換えを行い,人工的に四つ葉を作ることができるからです。と,この話はまた今度。とにかくこの確率の低さに驚きましょう。単純計算で,1秒にひとつ探しても3時間近くかかってしまうことになります。ああ低い。背が伸びるほど骨の折れる作業になりそうです。

他にも,チューリップについて話題を進めましょう。みなさん,モザイク病という植物の病気をご存知ですか?植物はこの病気にかかると株や葉が萎縮して弱ってしまいます。そして何よりの特徴がこの「モザイク」という名前の由来にもなるその見た目です。

この病気に感染したチューリップはこのように色がまだら模様になってしまいます。

ではみなさん,このチューリップを見て何を感じますか?わあ独創的,綺麗!と思った方,いるのではないでしょうか。実際17世紀頃ヨーロッパではこの珍しい模様のチューリップが高値で取引されていました。「高嶺の花」ならぬ「高値の花」ですね。病気の花なのにですよ?びっくりですね。(補足すると,今私たちが目にする柄ありのチューリップは人工的な遺伝子組み換えのもので病気ではないそうです。まあモザイク病も有害なのは植物だけで人間が鑑賞する分には何も問題はないそうなのですが。)

クローバーとかチューリップとかどんだけ植物好きなんだよと思いましたか?では他の世界も見ていきましょう。みなさん,カードゲームは好きですか?例えばゲームで超レアカードを引いたらそれが自分の好きなキャラクターでなくてもテンションは上がりますよね?町内会の福引きで一等を引き当てたらたとえ商品が自分には必要のない最新型掃除機だったとしても得意にはなってしまいますよね?

そう私が今回何を言いたいのか。みんな”普通とはちがうこと”つまり”レア”に注目して手に入れたがるということです。珍しいものに希少価値をつけ,それを面白いこととし探し求める。

しかしこれは人がモノを見るときです。今私が,誰かが,他の人とは違うことを突発的に行うと白い目で見られることでしょう。

「他と違う」ことを良しとしない人間社会。この社会の中ではみることのできない感覚がその社会の外,つまり人が人を見る世界を脱して人がモノを見る世界に出ると対象に対して全く逆の評価を生むことになるのです。まさに皮肉ですね。

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