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理系大学生、初心者本読みの感想文No.15『夏なんてもういらない』

こんにちは。今回は第十五弾ということで額賀澪さん著の『夏なんてもういらない』についてお話ししたいと思います。この本が初版のときは、『潮風エスケープ』として刊行されましたが2019年に改題、改稿され発売されました。

あらすじ

主人公は多和田深冬、高校3年生、田舎の農家出身である彼女は、半ば両親の反対を押し切って地元から離れた高校で寮生活をしていた。通っている高校の附属大学で同じゼミで活動している潮田優弥に片思いしていた。夏休みはゼミの活動で潮田優弥の地元の「潮見島」で12年に一度開催される、「潮祭」の研究をしに行く。そこには地元を抜け出した深冬とは対照的に、生まれてから今まで15年間潮見島から出たことのない汐谷柑奈と、絶対に敵わない恋敵で12年前、深冬と同じように地元である潮見島を抜け出した汐谷渚が待っていた、、、。

感想

この小説を読んで感じたことは大きく分けて2つです。
1つ目はどこにいてもしがらみはあるのだなということです。島の伝統やしきたりから逃れるために島を抜け出した渚が深冬に放った「潮見島は別に何も特別な場所じゃなかったって」セリフが印象的でした。私たちが所属する集団は各集団ごとにルールがあって、その集団独特の空気があって、私たちはときどきそれが何かドロドロした沼の様に感じることがありますよね。どこに行ってもそうならうまく付き合っていくしかないのかもしれません。
2つ目は人は互いに影響しあいながら生きているのだなということです。「夏なんてもういらない」では主要な登場人物はあらすじで紹介した4人です。主人公である深冬は片思いしている優弥、自分と対照的な生き方をする柑奈、自分と似た考えで潮見島を飛び出した渚、この3人とぶつかりながら自分の生き方や考え方に迷いながら答えを出していきます。私たちの日常もきっとそうなんだと思います。周りの人に助けられ、ぶつかりながら生きています。こんなふうに考えると、「物語に触れる」=「人の人生を覗き見る」ことなんだなと感じます。最近は特に。登場人物の葛藤がいかにも若者らしく、若い私に刺さる小説でした。

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