絵馬編_第2章_空気
いつもより長く感じる通学路を終え、教室に向かう。教室のドアを開けると一人の女の子が駆け寄ってきた。 「絵馬!おはよう!助けて!」 この子は友達の彩佳。勉強よりスポーツのほうが得意な彩佳はテストの日はいつもこんな感じだ。 「しょうがないなぁ。何の教科? […]
いつもより長く感じる通学路を終え、教室に向かう。教室のドアを開けると一人の女の子が駆け寄ってきた。 「絵馬!おはよう!助けて!」 この子は友達の彩佳。勉強よりスポーツのほうが得意な彩佳はテストの日はいつもこんな感じだ。 「しょうがないなぁ。何の教科? […]
赤くかじかんだ指先にはぁっと息をふきかける。頬を撫でる冷たい風は私に冬の訪れを感じさせる。境内を赤く染め上げていたもみじはすっかり姿を失い、地面にてんてんと散らばっていた。 ここ、鶯神社はこの地域唯一の神社でありながら私の実家でもある。そのため、学校 […]